『 THE ANTIPHONAL MUSIC OF GABRIELI (ガブリエリの饗宴) 』
今日は、『THE ANTIPHONAL MUSIC OF GABRIELI(ガブリエリの饗宴)』の紹介をしようと思います。
『THE ANTIPHONAL MUSIC OF GABRIELI(ガブリエリの饗宴)』
- アーティスト:Boston Brass Ensemble,Chicago Brass Ensemble,Cleveland Brass Ensemble,Philadelphia Brass Ens
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 1996/10/03
- メディア: CD
このCDはもはや説明するまでもありませんが、金管奏者なら必ず持っていなければならない1枚です。
特に私の好きなシカゴ交響楽団が参加しており、シカゴ交響楽団黄金期を支えたアドルフ・ハーセスや、ツィコビッツパターンで有名なヴィンセント・ツィコビッツ、ホルンはクレヴェンジャー、トロンボーンはジェイ・フリードマン、チューバはアーノルド・ジェイコブスと、シカゴ交響楽団の金管王国時代の猛者たちが参加している録音なのです。
また、このCDに付属しているライナーノーツが優秀で、曲ごとに誰がどのパートを、どの位置で吹いているかということまで記されていて、とても興味深いです。
『THE ANTIPHONAL MUSIC OF GABRIELI(ガブリエリの饗宴)』
・〜録音参加団体〜
このCDは、アメリカを代表する3つのオーケストラである、クリーヴランド管弦楽団、フィラデルフィア管弦楽団、シカゴ交響楽団の首席金管奏者たちが参加しています。
・〜参加メンバー〜
ここでは、各団体の録音参加者、楽器について触れていきます。
・〜クリーヴランド管弦楽団〜
1st trp バーナード・アデルステイン(Bernard Adelstein)
2nd trp トーマス・ウォールウェンダー(Thomas Wohlwender)
hr マイロン・ブルーム(Myron Bloom)
trb ロバート・ボイド(Robert Boyd)
tub ロナルド・ビショップ(Ronald Bishop)
・〜フィラデルフィア管弦楽団〜
1st trp ギルバート・ジョンソン(Gilbert Johnson)
2nd trp セイモア・ローゼンフィールド(Seymour Rosenfeld)
hr メイソン・ジョーンズ(Mason Jones)
1st trb ヘンリー・チャールズ・スミス(Henry Charles Smith)
2nd trb タイロン・ブレウニンガー(Tyrone Breuninger)
euph ディー・スチュワート(M.Dee Stewart)
tub エイブ・トルチンスキー(Abe Torchinsky)
・〜シカゴ交響楽団〜
1st trp アドルフ・ハーセス(Adolph Herseth)
2nd trp ヴィンセント・ツィコビッツ(Vincent Cichowicz)
hr デール・クレヴェンジャー(Dale Clevenger)
1st trb ジェイ・フリードマン(Jay Friedman)
2nd trb フランク・クリサフリ(Frank Crisafulli)
euph グレン・ドッドソン(Glenn Dodson)
tub アーノルド・ジェイコブス(Arnold Jacobs)
・〜全日本アンサンブルコンテスト演奏団体数〜
ガブリエリ作品は、とても取り組みやすく、また奥が深いのでとても学ぶべきところが多いと感じています。おまけですが、以下はガブリエリ作品の全国大会出場ランキングです。※6位以下は演奏団体が2団体程だったので人気の5位までを紹介します。
1位 Sonata pian e forte (ピアノとフォルテのソナタ)
演奏団体数:27団体 このCDの9曲目に収録されています。
2位 Canzon primi toni (第1旋法による8声のカンツォン)
演奏団体数:26団体 このCDの10曲目に収録されています。
3位 Canzon septimi toni no.2 (第7旋法による8声のカンツォン第2番)
演奏団体数:25団体 このCDの1曲目に収録されています。
4位 Canzon septimi toni no.1 (第12旋法による8声のカンツォン第1番)
演奏団体数:14団体 このCDの11曲目に収録されています。
5位 Canzon duodecimi toni (第12旋法による8声のカンツォン)
演奏団体数:8団体 このCDの2曲目に収録されています。
このCDは全32曲集録されているのですが、12曲目までが3つのオーケストラの首席奏者によるアンサンブルで、13曲目からはボストン交響楽団のブラスアンサンブルが収録されており、ボストン交響楽団といえば、あのアルマンド・ギターラ(Armand Ghitalla)の音も聞くことができます。(ボストン交響楽団の1stトランペットの席は彼の栄誉をたたえて、ギターラシートとも呼ばれています。)ちなみに、ギターラは新たなトランペットの開発にも意欲があり、ヤマハの3番管にロータリーがついたピッコロトランペットは、このギターラのアイデアから生まれています。
この写真には、私の大好きなトランペット奏者の一人である、ロルフ・スメドヴィック(エンパイア・ブラスのメンバーで、写真奥から2人目)も写っており、とても大好きな写真です。
ガブリエリ作品を演奏する方はヨーロッパ団体の演奏だけでなく、ぜひこのアメリカサウンドの歯切れ、レスポンスの良いガブリエリを聞いてみてはいかがでしょうか。ヨーロッパ系にはない、とても重厚なガブリエリを体感していただけるかと思います。
演奏メンバーを書くことに頑張りすぎたので、今日はここまでにしたいと思います。
それではまた、いつの日か。
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